2014年5月31日土曜日

秘密儀軌ツアー 七ー6ーf

 ビッグローブからの続き

 マリア・カラスさんが女王になりたがるわけは、いくらオペラの女王であっても、王侯貴族のなぐさみものでしかない、いくら血の出るような努力をしてもその壁を乗り越えることができない、そうした思いがあるからだった。そのことは接触し始めた頃に確認したことで、財閥のオナシスと結婚したのも、そこらあたりに原因があり、その頃映画「王メディア」の映画も撮っている。
 それでも満たされることなく、彼女は仕組みの佐田と接触することで、新しい可能性を見出したのであった。そして今宇宙で女王の道を歩み続けている。屈辱的だったエリザベス女王をもう超えた、と今の彼女は感じているようだが、まだ上があることに不満があって、引き続き頂上を目指して努力を続けているのだという。彼女は天才でもあるが努力の人であった。
 このことをマレーネ・デートリッヒに言うと、彼女は知らん顔をするのだそうだが、脇から「往年の美声はどうしたんだ!」という声が上がった。「秘密儀軌なんかやっているからだ。もっとおおらかに表で活躍すれば?」と言うのだが、何も答えない。「往年の美声はどうしたんだ!」と昔の兵士が叫んでいる。「婆さんですか?」と聞くと、「そうなんだ」という答え。「若い姿でやれば?」と言うと、「人形は嫌なんだ」と叫び返してくる。「だったら‥‥」と言ったとたんにヘドロ化してしまったという。
 彼女は魔女狩りの刺客を恐れており、それでこうした神秘領域の問題から隠れようとしているらしい。母親が心配して、常にこちらとの対応を注視しているようなので、そちらと絡めて調整することになった。母親の娘に対する思いを確認してみると、魔女の系譜を引き継いでほしいとのこと。マレーネも母親との約束を破るわけにはいかない様子。しかし彼女には魔女の才能がないようなのだ。
 魔女より女優の方がいいと言うマレーネを母親が許さないようなので、今度は母親の説得に入ることになった。魔女の能力は妖婦になって現れているのではないのかと。何も魔女の変な技術を学ぶ必要はないのではないのかと。天性の魔女の能力が発現しているのだからと。お人形にさせてあげたらいかがですかと。それを聞いてマレーネは喜んだ。そしてやっとこちらとまともに対応するようになってきた。
 そして彼女は若い頃の姿になってドイツに現れた。そしてたちまちスターの座を取り戻した。マレーネは満足していたが、母親は考え込んでしまった。人形のままで生きることを望む先祖は多い。長い宇宙生命の流れの中で、輝かしい業績を上げたお人形として生きることは、ある意味で正当な権利ではないのだろうか? 飽きるまでやらせてあげたらいかがですかと言っておいた。

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